防波堤やサーフ、河口など陸地からの小型青物(ツバスやシオ、サバなど)の釣り方といえば「遠投サビキ」や「泳がせ釣り」がありますが、今回は「弓角(ゆみづの)」という仕掛を使った小型青物の釣り方を紹介します。
この記事ではそもそも「弓角」ってなに? どんな釣り方なの? という入門者のギモンを詳しく解説していきます。

弓角とはどんな仕掛?

もともとは漁具!日本に古来から存在する伝統的な仕掛

「弓角(ゆみづの)」は、もともとは漁師が使用する漁具から生まれた仕掛で、日本では古来から使われてきました。かつては動物などの角や骨を使って作られていたそうですが、最近ではプラスチック素材が主流となり、カラーも豊富にラインナップされています。
弓角は弓のように曲がった形状が特徴的。ボディに鈎が埋め込まれており、水中でのアピール力を高める羽やホログラムシールなども付いています。

弓角の使い方とは

プラスチックボディに鈎を付けただけというシンプルな見た目の弓角ですが、「一体どうやって釣るの?」とギモンに思う方もいるかと思います。
弓角は飛ばしウキ天秤オモリにハリスを接続し、その先に弓角をつけて使用します。

弓角の仕掛図

弓角は単体で使用するのではなく、沖のポイントに飛ばすためのウキや天秤と組み合わせて使用する釣り方です。釣具店には弓角とセットになった仕掛も販売されています。セット仕掛は釣り場ですぐに使えるので、はじめて弓角を使う場合にもオススメです。
弓角を飛ばすためにウキや天秤オモリを使うわけですが、状況に応じてそれぞれを使い分けます。

飛ばしウキ

  • 表層攻略がしやすい
  • 浮力を活かして水面をゆっくりと引くことができる

天秤オモリ

  • ボトムから中層、表層付近まで広く探れる
  • 飛距離が出やすく沖合のポイントをねらいやすい

「弓角」の使いどころ

表層付近で「なぶら」が発生した時

弓角が最も効果を発揮するのは海の表層で「なぶら」が発生した時です。
なぶらとは青物などの魚に追われた小魚たちが水面を逃げまわること。遠投性能でなぶらを直撃、さらに弓角を表層付近で引っ張ることでヒットチャンスを広げます。

小魚を捕食している時

弓角のサイズは4cm~5cmほどの小魚をイメージしたサイズ感のものが多く、小型青物が捕食しやすいサイズになっています。シラスなどの小魚を追いかけまわしているタイミングが有効になります。

弓角の釣り方とは?

弓角の基本的な釣り方は”表層ただ巻き”

弓角の釣り方はひじょうにかんたんで、「投げて巻くだけです。弓角の鈎にはエサをつけません。投げて巻いてくることで弓角を回転させ魚を誘います。
基本的には弓角を遠投して表層を引っ張り、「逃げ回る小魚」を演出して小型青物をねらいます。

表層で反応がない時は”全層探り”も効果的

弓角は表層を引っ張ってくる釣り方が基本ですが、表層付近に魚の反応がない時はボトム(海底)から中層、表層付近までを釣る「全層探り」の釣り方が効果的です。この時は弓角を沈めることができる天秤オモリを使った仕掛を使うと効率よく広く探ることができます。

全層探りにピッタリ!初心者にもオススメ仕掛◎

弓角の釣り場とねらえる魚

弓角は防波堤やサーフ、河口など小型青物が回遊するエリアで楽しむことができます。潮通しが良く、できるだけ沖に面したポイントやエサとなる小魚が多い場所がオススメです。
また、小型青物が回遊しやすい時期(初夏から秋にかけて)が最適で、そのタイミングに当たれば数釣りを楽しむことができます。

弓角で釣れる対象魚は小魚を捕食するツバスやシオ、カツオ、サバ、メッキなど。幅広いターゲットをねらうことができます。

釣れない時は?弓角のサイズやカラーを変えてみよう

弓角で釣れない時はサイズやカラーを変えてみるのも良いでしょう。弓角は「小魚を演出する」釣り方ですが、エサとなる小魚と弓角のサイズをできるだけ合わせることで釣果を得やすくなります。大きめの小魚を捕食している時にはやや大きめの弓角をセレクトしてみるのもアリかもしれません。

また、弓角のカラーラインナップも攻略するうえでの武器になります。定番のクリア系やブルー、ピンクなどを揃えておくと海の状況に合わせて使い分けることができます。ケイムラやチャートなど濁りやローライト時に効くカラーもオススメです。

充実のカラーラインナップ!オススメの弓角

弓角の交換方法

接続にスナップなどを使用しない弓角の交換方法は少し特殊です。交換する時は下記を参考に試してみてください。

  1. ハリスを弓角内側(ホロシール側)から通す。※赤い丸部分
  2. 通したハリスの端に8の字結び(+ハーフヒッチ)を行いコブを作る。
  3. 抜けないかを確認して問題なければOK!

弓角で小型青物を釣ってみよう!

今回は「弓角」を使った釣り方について解説しました。状況によってはサビキや活きエサを使った釣り方のほうが有利な時もありますが、弓角が効果的なシーンやタイミングがあります。特に小型青物が回遊するエリアや時期にはぜひ試したい釣り方ですので、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?