泳がせ釣りってどんな釣り?

堤防から釣れるアジやサバなど、生きた小魚を泳がせて大型魚を狙う釣り。泳がせ釣りは「食物連鎖」を利用した釣り方です。青物や根魚、ヒラメなど、生きた小魚を捕食する「フィッシュイーター」がこの釣りのターゲットになります。釣りごたえだけでなく、高級魚が狙えるとあって初心者から上級者まで、幅広い層の釣り人が楽しめる人気の高い釣りです。

特にエサを追って回遊する「青物」は泳がせ釣りの格好のターゲット。ヒットすれば青物の強烈な引きとのパワーファイトが楽しめます。

泳がせ釣り入門におすすめ!エレベーター釣法とは!?

「ウキ釣り」や「胴突釣り」など泳がせ釣りには種類がありますが、その中でも入門としておすすめしたいのが「エレベーター釣法」。名前の通り、活きエサがエレベーターのように自由に行ったり来たりできる、泳がせ釣りの釣り方の1つです。今回はエレベーター釣法の仕組みや楽しみ方を解説していきます。

エレベーター釣法に必要な道具は?

エレベーター仕掛

エレベーター釣法には専用の仕掛を使用します。仕掛そのものは至ってシンプルですが、鈎、ハリスと必要なパーツがすべてセットになった仕掛がおすすめです。

オススメ仕掛

オモリ

エレベーター釣法には10号~20号程度ののオモリを使用します。釣り場の水深や潮の流れに合わせて号数を使い分けます。根掛かりを考慮して、予備を持っておくと良いでしょう。

竿

エレベーター釣法(泳がせ釣り)には磯竿の3号~4号、長さは4.5m~5mを使用します。また、シーバスロッドやショアジギングロッドなどのルアーロッドでも問題ありません。大型魚を想定した強めの竿を用意しておくと安心です。

リール

リールはスピニングリールの4000~5000番を使用します。ラインを巻き取る力が強ければ魚とのやり取りも快適です。

ライン(道糸)

ラインにはナイロンの4号~5号程度を使用します。ヒットした魚を確実に取り込むために、道糸は太めにしておきます。ライントラブルなどを考慮して、150mほどは巻いておくと良いでしょう。

活かしバケツ・エアポンプ

アジやサバなどの活きエサを活かしておくためのバケツ。釣具店などで活きエサを購入した際の持ち運びにも便利です。エアポンプを使うことで長時間でも活かしておくことが可能になり、活きエサの鮮度を維持してくれます。

タモ網

魚を取り込むための道具。足場の高い防波堤や沖堤防でも使える伸縮タイプがおすすめです。5m~6mほどの長さがあれば良いでしょう。

竿立て

竿を立てておく道具。エレベーター釣法では置き竿にしてアタリを待ちます。

すくい網

活きエサをすくう網。活きエサに直接触れることなくすくうことができ、ハリ付けもスムーズに行えます。

釣り場の選び方

エレベーター釣法は身近な防波堤や沖堤防などで楽しめます。青物が回遊する、潮通しの良いポイントや水深のあるポイントでも、エレベーター釣法であればしっかりと探ることができます。また、混雑した釣り場や隣同士の距離感が近い海釣り公園などにも向いている釣り方です。
エレベーター釣法の場合、仕掛の先端にオモリをつけていることから、仕掛が潮の影響を受けて左右に流されることを抑制し、隣同士とのオマツリを防いでくれます。

エレベーター釣法の釣り方を解説!

【図説】エレベーター仕掛

エレベーター釣法は仕掛そのものも非常にシンプルです。仕掛に使われるパーツも少ないため、修復もかんたん。仕掛を自作して楽しむこともできます。

エレベーター釣法の手順

①オモリだけを投入し、道糸を張る
まずはポイントにオモリを投入します。オモリが着底したら、道糸の糸ふけを取り、道糸をピンと張ります。
②ハリスに活きエサを掛け、道糸に引っ掛けて投入する
鈎に活きエサを掛け、ハリスに付いたスナップを道糸に引っ掛けます。海面に向かってスライダーのように滑らせます。

POINT

必ずハリスに付いたスナップを閉じてから投入しましょう。途中で外れたり、ヒットした時のすっぽ抜けを防ぎます。

③活きエサが潜りやすいよう、竿を立て、角度をつける
→活きエサが水面から水中に潜りやすいよう、竿を立て、道糸に角度をつけます。

活きエサを投入したらあとは当たりを待つだけです。

待望のヒット~取り込みまで

魚がヒットする前には、活きエサが突然暴れ始めたり、頻繁に竿先が動くなどの「前当たり」が増えてきます。これは活きエサが大型魚に追われている状態で、ヒットする可能性が高まっている証拠です。青物などの回遊魚の場合は、前当たりなくヒットすることも多いので要注意です。

前当たりとは違う、強い本当たりが出たら、少し糸を送り込んでゆっくりと合わせを入れます。活きエサを吞ませてからしっかりと鈎を掛ける必要があるので、即合わせは禁物です。魚がヒットしたら竿を立ててゆっくりとやり取りを楽しみます。
魚を寄せてきたらタモ網の出番です。魚が弱ったことを確認して確実に取り込みましょう。この時、糸のテンションは抜かないようにします。糸がたるむと鈎が抜けてバラしてしまうかもしれません。最後まで気を抜かないようにしましょう。

ちょっと待った!合わせて覚えておきたいコト

活きエサへの鈎の掛け方

活きエサへの鈎の掛け方は数種類ありますが、ここでは代表的な「鼻掛け」「背掛け」を解説します。
鼻掛けは鈎を身に刺さないため、魚が弱りにくく、活きエサ本来の遊泳力に期待でき、自然な姿勢でアピールしてくれます。それに対して背掛けは、鈎が外れにくく、エサ持ちが良いです。鼻掛けと比較すると、アピール力はやや強めです。
泳がせ釣りでは活きエサのコンディションが釣果を左右すると言っても過言ではありません。弱り切った活きエサではターゲットにアピールすることは困難になります。活きエサの扱いには十分注意しましょう。

ドラグ設定はゆるゆるが基本!

仕掛をセットし、あとは待つだけ…!と油断していると、思わぬトラブルが発生することも。仕掛をセットし終えたら、必ずリールのドラグ設定は緩めておきましょう。「ドラグ」とは魚に強く引っ張られ、力が加わったとき、スプールから糸を放出する機能のことです。
ドラグを締めた状態で大型魚がヒットした場合、引きの強さに耐えられず糸が切れたり、最悪の場合は竿ごと海に引きづり込まれることも…。そんなトラブルを防ぐ意味でも、ドラグ設定は緩めて当たりを待ちましょう。
魚がヒットしたら少しずつドラグを締めていき、ゆっくりと合わせを入れます。

エレベーター仕掛で大物釣りにチャレンジしよう!

この釣りの特徴は、活きエサが自由に動き回ることができ、海底付近から中層、表層まで幅広く探ることができる点です。ウキ釣りのようにタナを固定することはできませんが、活きエサが動き回ることで、魚に対する強力なアピールとなります。また、活きエサを後から投入することで、ダメージを軽減し、エサ持ちが良い点もエレベーター釣法の特徴です。
そして何と言っても、エレベーター釣法であれば特別なテクニックがなくてもかんたんに大型魚を釣り上げることが可能です!サビキ釣りで活きエサを確保し、そのまま大物釣りにチャレンジしてみるのもアリかもしれませんね!ぜひお試しください!