「アジビシ」ってご存知ですか?

アジビシ(ビシアジ)とは関東エリアで人気の高い船釣りの一つで、ビシカゴ(コマセカゴにオモリがついたもの)を使ったコマセ釣りです。
ターゲットは「アジ」。釣って楽しい、食べて美味しいアジを身近な海域でお手軽に狙えるとあって、初心者から上級者まで楽しむことができるアジ釣りの一種です。
また近年では、大型アジ狙いの本格的なアジビシ釣りに対して、ライトタックルで楽しむ「LTアジ(ライトアジ)」も盛り上がりを見せており、女性にも人気の釣りになっています。今回はそんなアジビシに必要なタックルや仕掛、釣り方を解説していきます。

初心者から上級者、また女性でも手軽に楽しめるアジビシ釣り

アジビシ・LTアジの基本タックルとエサ

アジビシ・LTアジのタックル

「アジビシ(ビシアジ)」と「LTアジ」とでは使用するタックルが異なります。これは、狙うアジのサイズや釣り場によって使い分けるためです。また状況によって、使用するビシカゴや仕掛の号数が変わります。釣行前に釣具店や船宿に確認しましょう。

使用する仕掛

アジを釣る仕掛というと、サビキ仕掛を思い浮かべる人も多いと思いますが、アジビシでは基本的にはカラ鈎(擬餌などが付いていない鈎)、ハリス、幹糸のシンプルな仕掛を使用します。
また「アジビシ(ビシアジ)」と「LTアジ」で使用する仕掛も変わります。大きく変わる部分は「ハリス」の太さです。アジビシでは、大型のアジを狙うためハリスは太めを選択します。2号を基準に、状況に応じて3号ハリスまで用意しましょう。
LTアジでは細めのハリスを選択します。1.5号~2号までを用意しておくと良いでしょう。どちらも鈎数は2本~3本が基本で、仕掛の扱いに慣れていない初心者や女性は2本鈎がオススメです。慣れてきたら効率を重視した3本鈎も使ってみましょう。
最近は「細ハリス」が流行っており、LTアジ仕掛でハリス1号、1.2号などが登場しています。細ハリスは低活性時のアジ攻略にオススメです。アジに対して違和感なく誘え、吸い込み良くしっかりと掛けることができます。

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使用するエサ

付けエサには「青イソメ」や「赤タン(イカの切り身)」、コマセには「イワシミンチ」をそれぞれ使用します。付けエサとなる青イソメと赤タンは状況に応じて使い分けるため、両方を揃えておくことをオススメします。また、船宿でエサを用意してくれるサービスもあるため、予約時に確認しておくと良いでしょう。

赤タンはエサ持ちがよく、手返し重視
コマセにはイワシミンチを使用

アジビシ(LTアジ)の釣り方解説

まずはエサを用意しよう!

船がポイントに到着したら付けエサとコマセの用意をします。コマセはビシカゴに入れるのですが、カゴの7割~8割ほどまで詰めていきます。この時、コマセを詰め過ぎないように注意しましょう。
続いて付けエサをそれぞれの鈎に付けていきます。青イソメは1㎝前後にカットして通し刺しに、赤タンも1㎝ほどにカットして、こちらは鈎にチョン掛けします。その日、その場所の状況で付けエサは変えるようにします。

ビシカゴにコマセを詰め過ぎないのがポイント
定番はイカを赤く染めた「赤タン」

仕掛を投入しよう!

エサの用意ができたらいよいよ仕掛を投入します。下記の順番で仕掛を投入します。

①まずは仕掛を海面に垂らして吹き流しておく
②続いてビシカゴを投入する
③ボトム(海底)まで落としていく

仕掛が絡まないように注意しましょう

仕掛の投入後の流れ

仕掛を投入したら、まずは確実に仕掛を着底させます。この時、サミング(糸の放出量を指で調整)しながら落としていくとライントラブルを防ぐことができます。
着底したら、リールを約1回転半巻き、1mほど巻き上げます。巻き上げたところで竿を上下に振って2回ほどコマセを撒きます。アジビシ釣りではコマセでアジを寄せてエサ場を作ってあげることがポイントとなります。アジは水中で撒きあがったコマセの煙幕の中でエサを捕食します。
さらに1mほど巻き上げ、もう一度コマセを振ります。その後、アタリがあるまで待ち、なければもう一度繰り返します。

魚がヒットしたら

アジからのアタリは竿先で捉えます。アタリは明確に出るため、反応があったら竿をゆっくりと立て、鈎掛かりさせます。アジの口は軟らかいため激しいアワセはしないようにしましょう。

アタリは竿先に明確に出る
アジの口は軟らかいためアワセには注意

魚の取り込み方法

しっかり鈎掛かりさせたら、バレないようにゆっくりと一定のスピードで巻き上げてきます。ビシカゴが水面に見えたところで巻くのを止め、竿を立て、まずはビシカゴをキャッチします。その後、ハリスを掴んで素早く抜き上げます。この時、ハリスの下(魚に近いほう)を掴み、なるべく糸のテンションを保ったまま抜き上げるようにしましょう。

最後まで油断は禁物。抜き上げは素早く、確実に

魚を釣り上げたら

魚を釣り上げたら口から鈎を外し、船内にある生簀やバケツで活かしておきます。その後、ある程度釣り上げたらクーラーボックスに入れて保管します。夏場などは魚も傷みやすいため、早めに冷やすことで鮮度を保つことができます。
アジには鋭いヒレがあるので、そのまま素手で触るとケガをするかもしれません。釣り上げたアジを掴むのに便利なフィッシュグリップや鈎外しは揃えておくと良いでしょう。

アジを掴むのに便利なフィッシュグリップも揃えておくと良いでしょう
鈎外しも揃えておくと便利なアイテム
「潮氷」で冷やし、新鮮に持ち帰りましょう

アタリが出ない?そんな時に試したいコト

周りの人たちは釣れているのに、アタリが出ない…そんな時に試したいコトを紹介します。

竿先の動かしすぎに注意しよう

アジビシのアタリは竿先に出ることが多いですが、そのアタリを見逃していませんか?コマセを撒き終えた後は、竿先をできるだけ動かさずに、水平をキープしてアタリを待ちましょう。

付けエサを変えてみよう

付けエサには「青イソメ」と「赤タン」を使用しますが、状況に合わせて使い分けるようにしましょう。付けエサの選び方としては、アジの喰いが良い時は赤タンを使用します。赤タンはエサ持ちが良く、手返しも抜群。すぐに魚からの反応が得られるときにオススメです。逆に喰い渋り時や濁り潮の時には青イソメを使用します。喰い渋りが激しい時には、生命感のある虫エサが特に有効で、釣果を伸ばすポイントとなります。

状況に応じて使い分けることで釣果を伸ばそう
狙うタナを変えてみよう

アジは当たるタナがコロコロ変わることが多いです。タナとは魚がエサを捕食する層のことで、時間帯や場所、天候によって変わります。色々探りながら、その日釣れるタナを見つけることがアタリを出し、釣果を伸ばす秘訣になります。

釣れるタナを見つけることが釣果を伸ばす秘訣に

「アジビシ・LTアジ」にチャレンジしてみよう!

東京湾を中心に関東エリアで人気の高い「アジビシ」
大型アジ狙いのアジビシとライトタックルで楽しむLTアジの2パターンありますが、どちらもお手軽に楽しむことができます。最近では船宿でのレンタルタックルやサービスも充実しており、初心者の方や女性など誰でも楽しめる釣りになっています。また、電車やバスなどの公共交通機関を利用しても、手ぶらで楽しめる点も魅力の一つですね。皆さんもぜひアジビシにチャレンジしてみてください!